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Singing voice that becomes it lightly

Singing voice that becomes it lightly

雪の降る街

『まだ……死ぬわけにはいかない…のに……。』

あの時はそう思っていた。

今考えると、本当に助かって良かった。

だけど…。

 

 

雪の降る街

 

 

それは、私たちの乗っているGM号が島を見つけた時だった。

私は熱が出ていて、意識ももうろうとしていた。

 

「島かァ!!!?おいナミ!!よかったな!!島だってよ!!病気治るぞ!!!」

 

ルフィが私にそう告げた。

ルフィは私を心配していてくれている。

それなのに…

「……………!! ……!!……!!……!!」

無言のまま身体をカタカタ震わせてワクワクしていた。

私は嬉しい…のか少し寂しいのかわからない状態だった。

「…みて来いよ。いいから;」

ゾロに告げられたルフィは喜んで外に飛び出して行った。

 

「ゾロ…。ゾロは…?」

「あ?何だ?」

「ゾロは見に行かなくて……いい…の?」

「俺ァ別に興味ねェ。」

「そ…うね。」

ゾロはいつも通りに私に接していた。

私は嬉しかったけど、少し恥ずかしい気もしていた。

だけど、意識が朦朧としていたから良く覚えて無かった。

「でも、せっかくの島よ?」

「別に興味ねェって。邪魔者もいなくなったところだしな!」

ケラケラとゾロは笑っていた。

「邪魔者…?」

「あぁ。」

「ルフィ…のこと?」

「あぁ。それ以外にだれもいねェだろ。」

「なんで邪魔…なの?」

「たぶん、この島では俺とお前は別々になるだろ?」

「…たぶんね。」

「だから…よ。」

あまり良く分からなかったことは今でも良く覚えている。

だから私は、しばらく黙っていたのだと思う。

「…ナミ。」

「…な……に?」

「キスしていいか?」

「いきなり…どうし……たのよ?」

「別々になるつったろ?2人でいる時間なんてほとんどねェだろ?」

「だからルフィの事を邪魔者って?」

「あぁ…。」

私は、病気になった自分を悔やんだ。

ゾロとは離れたく無いのに…。

病気にさえならなければ、ゾロとずっといれたのに…!

「ゾロ…。」

「あ?」

「ゾロと離れたく無いよ!私…!!!」

「そりゃ俺も同じだ。」

「だか…らさ。」

「何だ?」

「キスして!会えない時間の分もたくさん!」

言い切らない内に、ゾロの顔は私の目の前にあった。

その時のゾロの目は、私を心配しているような目でもあり、

とても辛そうな瞳でもあった。

 

いつまでも、この時間がすすまなければいいのに。

そう願いながら何度も何度もキスをしていた。

無意識の内に、ゾロに抱きつきながら。

 

私の病気が治った今も、あの時は忘れない。

ずっと、忘れないと思う。

ゾロを好きな私と、私を好きでいてくれるゾロ、

2人で一緒にいた時間を。

 

病気と言う名のモノが、2人の時間を作ってくれたことも。

 

         <END>

<管理人からの一言>
由奈様からいただいた、ゾロナミ小説ですv
ザ・メロリンラーヴッッッ!!
あぁ、頭の中で妄想が・・・(重症)


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